楽器ケース(フルート)
今回はオリジナル楽器ケースで、手作りの専用フルートケースのご注文です。
音楽をやられているお客様でアンティークの木製フルートのケースを製作します。

素材は丈夫で湿気にも強い栗の素材に決定、細かな打ち合わせを重ね
最終打ち合わせにはわざわざ東京から静岡の当社までご来店頂き
メールでは伝えられない細かな部分まで打ち合わせしました。

まず箱の部分の加工に取り掛かります、それぞれの四隅は留め加工にします。
正確に45°で留めにする点が一番のポイントです。この角度が少しでも狂うと
全体の箱の形が正確な長方形になりません。
今回のフルートケースは分解したフルートの各パーツをお客様が手作りした
朴の枕に収まるようになっているので、この朴の枕がぴったりと箱に納まるように
内寸を決めて製作していきます。留め加工で内法を正確に作るのは
なかなか難しい加工です。

なんとか箱組ができたらこのケースの最大の難関、アンティークキーの埋め込みです。
幅が15㍉の板厚の所に約7㍉厚キーの本体を埋め込む為、幅ギリギリの作業になります。
又、埋め込むキー本体の高さが約30ミリさらに全体の総幅が約50㍉と大きいので、
埋め込む穴は幅50㎜*厚み7㎜*深さ30㎜という細長い穴を空ける必要があり、
さらには本体に平面になるようにキー上部の薄い天板部分約1㎜も掘り込む必要があります。
丁番も箱外側からは丁番が余り見えないよう、折り畳んだ状態で蓋内側に埋め込みます。
こうして数々の問題点を見事クリアーしてなんとかケースの完成です。
その後はお客様自身で枕の皮張りや塗装を行う予定です。
後日、最終的に完成したフルートケースの画像をお客様が送って下さいました。
塗装は柿渋を塗った後蜜蝋ワックスで仕上げたそうです。
柿渋の効果で栗の色が濃くでてウォールナットのような高級な色合いになりました。
キーのゴールドの色合いにもとても合っています。
肝心の中身もご覧のように朴に布地を巻き柔らかなクッションとして
機能しています、各パーツも予定通りに見事に収まっています。
箱の深さや蓋の高さも各フルートの突起に当たらないように細かく設計
されているので、箱を閉じた状態で中のフルートを無理に抑えることも無く、
又、隙間が多く中でパーツが外れないような正確な寸法となっています。

フルートを組み立てた様子です。フルートと聞いてすぐに思い浮かべるのは
銀色の金属の物だと思いますが、このアンティークフルートは木製です。
黒檀で出来ているそうです。その為、湿度や扱いの管理に気を使うので、
どうしても同じ無垢の素材で出来たケースが必要だったそうです。
枕素材の購入や打ち合わせを含めるとかなりの時間と度重なる打ち合わせ
がありましたが、このようにお客様の満足いく物が完成してとても喜ばしい限りです。
次のケースも検討中だそうですので、第二弾もお客様と共に製作していきます。